【自宅で開業】ペットホテルを始める前に!用途地域は大丈夫?

ペットホテルを自宅で開業できないかな?

これを実現するためには、まず確認しなければならない重要なルールがあります。

それが、ご自宅の土地の「用途地域(ようとちいき)」です。

「自宅でペットを預かるだけだから」と簡単に考えてしまいがちですが、このルールを知らずに進めてしまうと、たとえば改装費用をかけた後で営業できないという事態に陥るかもしれません。

あせあせ

え!ウチって住居専用地域だったと思うけど…これってダメなの?

しろっち

住宅専用だから即ダメっていうわけじゃないんだ。さまざまな条件があるから、ここで確認しておこう!

この記事では、ご自宅でのペットホテル開業を成功させるため、あなたの自宅が開業可能なエリアかどうかについて詳しく解説します!

この記事でわかること

  • ペットホテルを開業できない「用途地域」とは
  • 用途地域別のペットホテル開業可否
  • 見落としがちな「自宅開業ならでは」の注意点

なぜ重要?「自分の家」なのに用途地域を確認する理由

住宅地でペットと散歩をする女性

「用途地域」とは、その土地をどのような目的で使うかを定めた、都市計画法に基づくルールです。たとえ自分の所有する家であっても、その土地が「静かな住環境を守るためのエリア」に指定されている場合、事業を行うことには厳しい制限がかかります。

ペットホテルは、不特定多数の人の出入りや動物の鳴き声が想定されるため、法律上「店舗」や「サービス施設」と見なされます。そのため、ご自宅が「住居専用」の地域にある場合、原則として開業が認められないのです。

「知らなかった」では済まされない、この法的なルールを最初にクリアすることが、自宅開業の絶対条件となります。

【まず最初に】我が家の用途地域を調べる2つの方法

PCで調べ物をする男性

「じゃあ、うちの用途地域は何なの?」 そう思ったら、すぐに確認しましょう。方法は簡単です。

方法①自治体のウェブサイトで調べる

最も手軽な方法です。 Googleなどの検索エンジンで「〇〇市(お住まいの市区町村名) 用途地域」と検索してください。

多くの場合、「都市計画図」や「用途地域マップ」という名前で地図情報が公開されています。その地図上でご自宅の住所を探し、どの用途地域に該当するか(地図は色分けされています)を確認しましょう。

方法②役所の窓口で直接、最終確認する【必須】

ウェブサイトの情報はあくまで目安です。最終的には、役所の担当部署に直接確認することが最も確実で、絶対に欠かせないプロセスです 。

担当部署: 市役所(区役所)の「都市計画課」「建築指導課」など(名称は自治体により異なります)。

準備するもの: ご自宅の住所がわかるもの。

聞き方の例: 「この住所の自宅で、ペットホテルの開業を検討しています。こちらの用途地域を教えていただけますか?また、その場合、どのような条件であれば開業が可能でしょうか?」

このように具体的に質問することで、正確な回答と、開業に向けた次のステップを知ることができます。

コレは?

ウチは…第一種住居地域って書いてある。これだとペットホテルできそう?

しろっち

用途地域は全部で13種類あるんだ。それぞれペットホテルができる可能性があるか次で見ていこう!

【用途地域別】ご自宅での開業、可能性は?

腕を組んで考える男性

ご自宅の用途地域がわかったら、こちらのリアルな可能性リストと照らし合わせてみましょう。「条件」の部分にこそ、重要な情報が詰まっています。

用途地域可能性自宅開業の条件・注意点
第一種・第二種低層住居専用地域△ 要絶対確認原則として開業は不可 。ただし、動物を預かるスペース(畜舎)が15㎡以下で「店舗兼住宅」として認められるなど、自治体の許可次第で道が残されている場合があります 。 (※ただし、この「畜舎」規定の解釈は自治体により異なり、ペットホテルへの適用はハードルが非常に高いのが実情です )
第一種・第二種中高層住居専用地域△ 要絶対確認低層地域と同様に原則不可ですが、自治体によっては畜舎15㎡以内などの条件付きで可能性が出てくるケースも存在します 。ハードルは低層地域以上に高いと考えられます 。
田園住居地域× ほぼ不可農業との調和が目的の地域のため、ペット関連事業の許可は極めて困難です 。
市街化調整区域×× 原則不可新規の建築や開発が厳しく制限される区域です 。既存の自宅を「用途変更」する道も、極めて困難で厳しい条件と自治体の高度な判断を要するため、実現は非常に難しいのが現実です 。
第一種・第二種住居地域、準住居地域○ 可能性高い住居と店舗の共存が想定されており、比較的開業しやすい地域です 。ただし、騒音・臭気に関する地域のルールには注意が必要です。
近隣商業地域、商業地域◎ 最適商業活動が優先されるため、用途の制限はほぼなく、開業に最も適したエリアです 。
準工業地域○ 可能性高いサービス施設の立地も可能なため、比較的開業しやすいと言えます 。
工業地域△ 要確認「ホテル」は不可ですが、ペットホテルが「店舗」と見なされれば可能性はあります 。自治体への確認が必須です。
びっくり

地域によって、こんなに違うんだ…!正直、もっと簡単に考えてたよ。

しろっち

そう。自宅だから好きにできるってわけじゃないんだ。あと用途地域をクリアできたとしても、他にも満たすべき要件はあるよ。次で紹介するね!

用途地域だけじゃない!自宅開業の必須チェックリスト

犬のイラストがあるチェックリスト

用途地域のハードルをクリアする見込みが立っても、まだ安心はできません。特にご自宅で開業する場合は、以下の点も必ず確認してください。

動物取扱業の登録

事業としてペットを預かるには、「第一種動物取扱業(保管)」の登録が法律で義務付けられています 。なお、この登録申請の前に、そもそもその建物で事業ができるか(用途地域等の問題)をクリアしておく必要があります 。登録には、資格や半年以上の実務経験などを持つ「動物取扱責任者」の設置や、法律で定められた施設の基準を満たす必要があり、年々厳格化しています 。

ご近所への配慮(騒音・臭気対策)

自宅開業で最もトラブルになりやすいのが、ご近所との関係です。動物の鳴き声に対する防音対策や、排泄物などからくる臭気対策は、事業の生命線だと考えてください。事業開始前の近隣説明も重要です 。

【賃貸の場合】大家さん・管理規約の確認

もしお住まいが賃貸の場合、事業利用が禁止されていることがほとんどです。分譲マンションでも管理規約で禁止されている場合があるため、必ず契約書を確認し、大家さんや管理組合から書面で許可を得ましょう 。

【持ち家の場合】住宅ローンの契約内容

意外な落とし穴が住宅ローンです。「居住専用」を条件に低金利で融資されているため、収益事業を行うことが契約違反になる場合があります。違反した場合、金利の優遇がなくなり、最悪の場合はローンの一括返済を求められるリスクもありますので、必ず金融機関に確認してください 。

まとめ

住み慣れた家でペットホテルを開く。それはとても素敵なことですが、思いつきで始められるほど簡単な道ではありません。

まず、ご自宅の「用途地域」を役所に確認することから始める。

住居専用地域での開業はハードルが極めて高いと認識する。

用途地域に加え、動物取扱業の基準、近隣配慮、住宅ローンなど、自宅ならではのチェック項目を一つずつクリアする。

この丁寧な事前確認こそが、あなたの夢と大切な財産を守るための最大の防御策です。不明な点は専門家(行政書士や建築士など)に相談することも視野に入れ、慎重かつ着実に準備を進めていきましょう。

この記事は、Small biz運営チームが作成しました。