飲食店でアルコールを提供すると、客単価の向上・利益率の増加につながり、売り上げがUP!
アルコールは料理と比べて調理の必要がなく、手間と人件費も抑えることができます。
ただ、お店でアルコールを提供するには、それなりの許可が要りそうですよね?

さきに答えを言ってしまうと……。
あなたのお店が食事をメインとするラーメン屋やお好み焼き屋などであれば、メニューにアルコールを加えても①飲食店営業許可のみでOK。
居酒屋やバーといったアルコールの提供がメインのお店で、さらに深夜営業をするのであれば、②深夜酒類提供飲食店営業の届出が必要です。
あるいは、キャバクラやスナックのようなアルコール+接待サービスのある店舗だと③風俗営業許可が必要。
また店内飲食に加えてアルコールをテイクアウトできるようにするなら、④一般酒類小売業免許を取得しないといけません。
えーと、ちょっとムズカシイんだけど…。たとえばウチはカフェなんだけど、飲食店営業許可だけでアルコールを出していいの?
確かに、ちょっとわかりにくいよね。でも大丈夫。この記事でスッキリわかるよ!
この記事では、そんなちょっとわかりにくい飲食店でアルコールを提供したいときの4つの許可(または届出)について、わかりやすく解説していきます。
あなたの開業の手助けとなりますように!
飲食店でアルコールを提供するための4つの許可
あなたの店舗でアルコールを提供する際、酒類提供の許可は主に4つに分類されます。
- 飲食店営業許可
- 深夜酒類提供飲食店営業届
- 風俗営業許可
- 一般酒類小売業免許
これらの許可のうち、どれが必要になるかは、あなたのお店の形態によって次のように変わります。
どの許可が必要になるか確認してみよう!
| 許可 | 申請先 ・法令 | 概要 | 店舗業態 |
|---|---|---|---|
| 飲食店営業許可 | 保健所 食品衛生法 | 食品を調理し、または設備を設けて客に飲食させる営業。 | ラーメン店・お好み焼き屋・寿司屋・食堂など |
| 深夜酒類提供飲食店営業届 | 警察 風営法 | アルコールの提供がメインの店舗で、深夜0時以降に酒類を提供するときに必要。 | 居酒屋・立呑み屋・バー・ダイニングバー・ガールズバー・バルなど |
| 風俗営業許可 | 警察 風営法 | お客さんの隣に座ってお酌をするなどの接待を営業目的とする店舗で必要。深夜0時以降は営業できない。 | スナック・パブ・キャバクラなど |
| 一般酒類小売業免許 | 税務署 酒税法 | お酒をテイクアウトで販売する場合に必要。 | お土産に酒類を購入できるレストランなど |
これらの許可はどれかひとつではなく、お店の形態によって組み合わせが必要です。
どの許可が必要か、下のフローチャートを見てみましょう。

たとえば、あなたのお店がアルコールの提供がメインで、深夜営業もして、さらにアルコールのテイクアウトができるのであれば、「飲食店営業許可+深夜酒類飲食店営業届+一般酒類小売業免許」の3つの許可が必要ということですね。
飲食店でお酒を提供するには何が必要?
それでは、先ほど説明した4つの許可について詳しく見ていきましょう!
食事メインなら飲食店営業許可のみでOK
飲食を提供するお店なら、アルコールの有無にかかわらず飲食店営業許可が必要です。
そして食事の提供がメインのお店なら、飲食店営業許可さえあれば、メニューにアルコールを追加してもOK。
店内での飲食が前提である限り、アルコールの提供に関して、特別な許可や届出は不要になります。
食事がメインのお店とは、たとえばラーメン店、お好み焼き屋、食堂などを指します。

このようなお店であれば、たとえ24時間営業でアルコールを提供しても問題なし。
次に解説する深夜酒類提供飲食店営業届は必要ありません。
アルコールメイン+深夜営業なら深酒(フカザケ)が必要
食事よりもアルコールの提供がメインのお店で、さらに深夜営業を行う場合、飲食店営業許可に加えて深夜酒類飲食店営業届の提出が必要です。
これは所轄の警察署に提出します。
アルコールの提供がメインのお店には、たとえば居酒屋、立呑み屋、バーなどがあります。
| 深夜営業しない | 深夜営業する | |
|---|---|---|
| 食事がメイン | 不要 | 不要 |
| アルコールがメイン | 不要 | 深夜酒類飲食店営業届が必要 |
深夜酒類提供飲食店営業届は名前が長いため、よく「深酒」(フカザケ)と略されます。
ここでいう深夜営業とは、一般的には午前0時から6時を指しますが、地域によっては午前1時から6時を指すこともあります。
居酒屋でも、23:30をラストオーダーにして、午前0時には閉店するところは多いですよね?
そのようなお店なら、深夜酒類飲食店営業届の提出は不要で、飲食店営業許可のみで大丈夫です。

ただし、メインとしているのが食事かアルコールかのラインは結構微妙で、お店によってはハッキリ区別できない場合もあります。
たとえば、焼き鳥屋や串カツ店は、一般的にはアルコールの提供がメインのお店とされます。

ちなみにカフェも、食事よりもドリンク提供がメインのお店。
そのため、コーヒーとアルコールの両方を楽しめる「cafe&bar」などは、一般的にはアルコールメインのお店に分類されます。
ウチはカフェだけど、食事にも力を入れてるよ。それでも食事メインにはならないの?
「ウチの場合はどっち?」と迷うなら、事前に所轄の警察署に相談するのがオススメだね!
接待をともなうなら風俗店営業許可が必要
飲食だけでなく接待サービスをともなうお店なら、飲食店営業許可に加えて風俗営業許可が必要になります。
風営法によると、「接待」とは、客を歓楽的な雰囲気を醸し出す方法でもてなす行為のこと。
具体的にはキャバクラやスナックのように、特定の客と長時間談笑したり、お酌をしたりする行為です。

一方で、お酌や水割りを作ってすぐにその場を離れる行為や、お客から注文を受けてお酒を提供するだけの行為、あいさつをする程度の行為は接待には含まれません。
たとえば、バーでカウンター越しに軽い会話をする程度では接待とは言えないので、風俗営業許可は不要です。
ただし、バーであってもお店の運営方法や設備によっては、風営法の許可が必要になるかもしれません。
風俗営業許可には種類があり、1〜5号許可と特定遊興飲食店に分けられます。
このなかで特に1号と5号は、一般的なバーとの境目がわかりにくいです。
| 営業許可 | 特徴 | 店舗例 |
|---|---|---|
| 1号営業 | キャストがお客の隣に座って、お酌や会話を楽しむ | キャバクラ・スナック |
| 2号営業 | 照明が10ルクス以下(ろうそくの灯火程度) | カフェやバー |
| 3号営業 | 5㎡以下の他から見通せない客席を設ける | カップル喫茶や個室居酒屋 |
| 4号営業 | 射幸心(労せず偶然の利益を得ようとする気持ち)をあおる遊興を提供(景品交換が認められている) | 雀荘やパチンコ店 |
| 5号営業 | 遊興設備を設置(800円以上の景品交換が認められていない) | ダーツバーやゲームセンター |
| 特定遊興飲食店営業 | お客に遊興をさせる店舗 | ライブハウスやショーパブ |
たとえば、ガールズバーでキャストを指名できたり、カラオケでデュエットするサービスがある場合、警察から1号営業に該当すると指摘される可能性があります。
または、ダーツ台などの遊興設備を設置すると、5号営業の風俗営業許可が必要になることがあります。

警察の立入検査で風営法上の無許可営業と摘発されると、営業停止に追い込まれる恐れがあるため、十分に注意したいところ。
さらに、風俗営業許可が必要になると、営業時間に制限が生じます。
風俗営業許可が必要な店舗は深夜0時までしか営業できず、このため、深夜営業をするために必要な深夜酒類提供飲食店営業届出を同時に取得することはできません。
アルコールをテイクアウトするなら一般酒類小売業免許が必要
飲食店でアルコールのテイクアウトもできるようにするなら、飲食店営業許可だけでは足りず、一般酒類小売業免許も必要になります。
たとえ飲みかけのボトルを持ち帰るだけでも、それを許していると無免許販売になってしまうので注意しましょう。
基本的には、酒税法によって飲食店での酒類の販売は禁止されています。
飲食店に卸売価格でお酒を提供されて、間接税である酒税の徴収ができなくなる恐れがあるからです(酒税は販売価格に上乗せされている)。

そのため飲食店でお酒のテイクアウトを希望する場合は、「飲食」業務と「酒類の販売」業務が別々であることを明確に示す必要があります。
具体的には、次のような対策をとらないといけません。
- スペースを分ける
- レジを分ける
- 仕入先を分ける(販売用は酒類卸売業者から、飲食店用は酒販店から)
- 在庫の保管場所を分ける
- 記帳を分ける
例えば、「飲食」スペースのお酒の在庫がなくなったからといって、「酒類の販売」コーナーから在庫を使ったりするとNG。
必ず「酒類の販売」コーナーからお酒を購入する手続きをしないといけません。
最近では、店内で購入したアルコールをそのまま店内でのむ「角打ち」スタイルのお店も最近増えてきました。
このようなお店で、飲食と販売でレジが分かれているのは、酒税法に抵触しないようにするためです。
当然ながら、これらの対応をするにもコストと労力がかかりますから、投じた費用と労力に対するリターンがあるかどうか、慎重に判断しましょう。
飲食店でアルコールを提供する際の注意点
酒酔い運転の防止対策
あなたの店舗でアルコールを提供する場合、酒酔い運転防止対策が重要になってきます。
来店時に運転の有無を確認しておく、タクシーや運転代行の手配できるようにしておくなど、適切な対策を講しておきましょう。

飲酒運転が発覚した場合、アルコールを提供した店舗も罰則を受ける可能性があります。
飲酒運転をしようとしている客がいて、説得に応じない場合は、スタッフが常に110番通報可能な体制にしておくことも重要です。
騒音等の防止対策
アルコールを提供し始めると、近隣に迷惑をかけないように騒音や振動への対策をとることが重要です。
地域によっては、夜間の騒音や振動の上限値が条例で定められていることがあります。
この上限値を超えて営業すると、最悪の場合、営業停止命令を受ける可能性があるので、避けては通れない問題ですね。
建物の構造や店舗の場所によっては、防音工事が必要になることもあります。
深夜に営業する場合は、特に注意が必要です。
まとめ
いかがだったでしょうか?
この記事では、飲食店でアルコールを提供するために必要な4つの許可について解説しました。
1. 飲食店営業許可
- 食事の提供がメインのお店であれば、この許可のみでアルコールを提供できます。
2. 深夜酒類提供飲食店営業届(通称:フカザケ)
- アルコール提供がメインで、深夜営業するお店に必要です。
- 深夜営業とは、一般的に深夜0時〜6時を指します。
3. 風俗営業許可
- 接待サービスを伴うお店(キャバクラ、スナックなど)に必要です。
- 深夜0時以降の営業はできません。
4. 一般酒類小売業免許
- アルコールのテイクアウト販売を行う場合に必要です。
- 飲食と販売の業務を明確に分ける必要があります。
このように飲食店でアルコールを提供するためには、お店の形態によって必要な許可が違ってきます。
事前に必要な許可を確認し、適切な手続きを行うようにしましょう!






