建設業許可と電気工事事業登録の違い

電気工事で独立・開業するのに必要になる
建設業許可」と「電気工事業登録」の違い、あなたはわかるでしょうか?

若い作業服の男性

名前は似ていますが、実はこれらは全くの別モノ。
それぞれ取得できる資格や必要な要件も違っていて、どちらが必要かは、あなたの事業内容や将来の展望によって変わってきます

そこでこの記事では、建設業許可と電気工事業登録の違いを徹底的に解説!
それぞれに必要な資格や手続き・費用・期間なども詳しく説明していきます。

しろっち

この記事では、建設業許可を黄色、電気工事業登録を緑で説明するよ。それぞれの違いを見比べよう!

建設業許可と電気工事業登録、その違いとは?

建設業許可と電気工事業登録は、どちらも電気工事に関する許認可制度ですが、その目的と対象となる工事が違います。

  • 建設業許可
    500万円以上の電気工事を請け負い、施工を管理・監督する場合に必要です。
  • 電気工事業登録
    電気工事を自社で施工する場合に必要です。

建設業許可は、建設業法に基づく許認可であり、建設工事全般を請け負うために必要なもの。
一方、電気工事業登録は、電気工事業法に基づく登録制度であり、電気工事のみを専門的に行うために必要なものです。

ポイント(背景緑)

簡単に言えば、建設業許可は工事の「請負」に、電気工事業登録は工事の「施工」に焦点を当てた制度。

つまり、これからあなたが電気工事の請負い、下請けに出すだけなら建築業許可のみでOK
元請けであれ、下請けであれ、自社で施工するなら電気工事業登録が必要になるということです。

電気工事業登録には4種類ある

電気工事業登録には、以下の4つの種類があります。

  • 登録電気工事業者一般用電気工作物および自家用電気工作物の工事を施工する場合に必要です。
  • みなし登録電気工事業者:建設業許可を取得している業者が電気工事を自社で施工する場合に必要です。
  • 通知電気工事業者自家用電気工作物のみを施工する場合に必要です。
  • みなし通知電気工事業者:建設業許可を取得している業者が自家用電気工作物のみを施工する場合に必要です。

見ての通り、建設業許可を取得している業者が自社で電気工事をするときは、「みなし」電気工事業者になります。
みなし電気工事業者になる場合、電気工事業者としての「登録」ではなく、「届出」(電気工事業開始届)をするだけでOK。
つまり、簡単な手続きで電気事業者としての仕事ができるようになり、登録税も不要です。

また、これらの登録は、それぞれ施工できる電気工事の種類や規模が違ってきます。

一般用電気工作物とは、600V以下の電圧で受電する電気設備を扱う工事のこと。
一般住宅やビル、店舗などの電気工事がこれに該当します。

分電盤をチェックする男性

自家用電気工作物とは、500kW未満の電力を自家発電する設備を扱う工事のこと。
たとえば、工場や発電所などの電気工事がこれに該当します。

発電所

建設業許可を取得するメリットとは?

それでは、あなたがこれから取得すべきなのは、建設業許可でしょうか?それとも電気工事業登録でしょうか?
それぞれのメリットを比べてみましょう。

作業着姿の男性

まず建設業許可を取得するメリットは、主に以下の3つです。

  • 500万円以上の電気工事を請け負える:建設業許可を取得することで、規模の大きな電気工事を請け負うことができるようになり、事業の拡大や収益の向上が見込めるようになります。
  • 信用力・信頼性が上がる:建設業許可は、企業の信用力や信頼性を高める効果があります。取引先や金融機関からの信頼を得やすくなり、事業活動が円滑に進めやすくなります。
  • 公共工事の入札参加資格:建設業許可は、公共工事の入札に参加するための必須条件です。公共工事を受注することで、安定した収益を確保することができます。

500万円未満の軽微な工事であれば、電気工事業者の登録だけで問題ありません。
ただ、今後大きな仕事を請け負い、収益性を上げていきたいなら、建設業許可を取得が欠かせない条件になってきます。

電気工事業登録を取得するメリットとは?

続いて、電気工事業登録を取得するメリットは、主に以下の2つです。

  • 電気工事の自社施工ができる:電気工事業登録を取得することで、電気工事を自社で施工できるようになり、下請け業者に支払う費用を削減できます。
  • 工事品質の向上が期待できる:自社で施工することで、工事の品質管理を徹底し、顧客満足度を高めることができます。

女性の電気工事事業者

電気工事を自社で施工するなら、もちろん電気工事業者の登録が必要です。
建設業許可を取得していても、みなし登録をせず施工をしていると罰則が科せられます。
忘れずに届出をしましょう。

建設業許可と電気工事業登録、それぞれの取得要件

次に、建設業許可と電気工事業登録それぞれの取得要件を確認しておきましょう。

建設業許可の取得要件

まず、建設業許可の取得要件は次のとおりです。

  • 経営業務の管理責任者:経営業務の管理責任者を置く
  • 営業所:工事に関わる契約を結び、見積もりを行う営業所を設置する
  • 専任技術者:専任の技術者を置く(一級電気工事施工管理技士、二級電気工事施工管理技士、技術士(建設)、技術士(電気電子)、第一種電気工事士、第二種電気工事士※、電気工事主任技術者 一種‧二種‧三種※、建築設備士※、一級計装士※)
  • 財産的基礎:一定の財産的基礎を有する(自己資本金200万円以上など)
  • 欠格要件:欠格要件に該当しない(破産者でない、暴力団員でないなど)
  • 社会保険への加入

※印の資格は、実務経験が必要な場合があります。

電気工事業登録の取得要件

電気工事事業の取得要件は次のとおりです。

  • 主任電気工事士:主任電気工事士を置く(第一種電気工事士または実務経験3年以上の第二種電気工事士)
  • 必要な機械器具:必要な機械器具を保有している(絶縁抵抗計、接地抵抗計、電圧計など)

見ての通り、建設業許可の方がよほど取得要件は厳しくなっています。

建設業許可と電気工事業登録、費用と期間は?

電球と電卓

続いては、建設業許可と電気工事業登録の取得にかかる費用と期間も確認しておきましょう。

建設業許可

  • 費用:25万円~30万円程度(法定費用9万円、行政書士報酬など)
  • 期間:1ヶ月半程度(書類提出から許可まで)

電気工事業登録

  • 費用:22,000円(登録電気工事業者の場合)+数千円(登記簿謄本等の取得費用)+行政書士報酬50,000円程度
  • 期間:約2週間(東京都の場合)

まとめ|取得のタイミングは?

建設業許可と電気工事業登録、どちらを取得すべきか悩むかもしれません。
ただ一般的には、電気工事業登録を取得してから建設業許可を取得するケースが多いようです。
電気工事業登録は、建設業許可に比べて取得要件が緩やかで、費用も安く、期間も短いためです。
ただし、500万円以上の電気工事を受注する予定がある場合は、建設業許可を取得する必要があります。
あなたの事業計画や状況に合わせて、どちらを取得するか検討しましょう!