軽貨物運送業を始めたいけど、手続きが複雑そう…
そんな風に思ってしまうかもしれませんが、実は、軽貨物運送業は意外とシンプルに始められる事業です。
大型トラックによる運送業と違って、許可ではなく届出だけでOK。ECサイト急成長によるニーズも高く、個人でも始めやすい事業として、近年注目を集めています。
そこでこの記事では、軽貨物運送業の魅力と始めるための手続きを解説していきます!
車庫の要件や届出書類の種類など、この記事で確認しておこう!
そもそも軽貨物運送業とは?
貨物運送業には大きく分けて2種類あります。
一般貨物運送業はトラックを使用し、許可制で資金要件や事業所要件が厳しく設定されています。
一方、軽貨物運送業は最大積載量350kg以下の軽自動車を使用し、届出制で比較的緩やかな要件で始められます。

特に個人事業主の方に人気なのが軽貨物運送業です。
初期投資を抑えられ、経験がなくても始めやすいのが特徴。ネット通販の急成長に伴い、「ラストワンマイル」と呼ばれる最終配送の担い手として、その需要と重要性は年々高まっています。
貨物軽自動車運送事業を始めるには黒ナンバーが必須
そんな軽貨物運送業は、初期投資が少なく、費用面でも時間面でも開業のハードルが低いことが大きな特徴です。
事業を始めるには、まず必要な届出を行い、一般の黄ナンバーから事業用の黒ナンバーへの変更が必要です。これは営業目的で車両を使用することを示す重要な要件となります。黒ナンバーは、運輸支局での届出が受理された後、軽自動車検査協会での登録手続きをすれば取得できます。
①運輸支局で軽貨物運送業の届出をする
②軽自動車協会で黒ナンバーを受け取る
じゃあ早速、運輸支局に行ってきまーす!
行動力!でも、いろいろ事前に準備するものがあるから、次の申請手続きの流れを読んでからにしてね。
申請手続きの具体的な流れ
ここからは具体的な申請手続きの4つのステップを順を追って見ていきます。
1. 営業所と車庫な要件を確認する
まずは事業所と車庫の要件を確認していきましょう。これらは軽貨物運送業を始める上で最も基本的な要件となります。主な確認ポイントは次の通りです。
①営業所:自宅でも可
②事業用自動車:軽自動車または125cc以上のバイク(1台でOK)
③車庫:原則として営業所と併設 併設できない場合も、営業所から2km以内 1車両あたり8㎡以上が目安
④休憩・睡眠施設:自宅でも可
つまり、自宅と軽自動車と車庫があれば基本的な要件は整います。
軽自動車については、令和4年10月27日の施行により、軽トラックや軽バンだけでなく乗用車も使用可能になりました。
なお、自宅も車庫も賃貸物件で問題ありません。
これらの要件を満たしていることを確認できたら、次の運輸支局への届出ステップに進みましょう。
2.届出書類を運輸支局に提出する
次に、運輸支局への届出手続きに進みましょう。
まずは事業所の所在地を管轄する運輸支局を確認します。「地域名 運輸支局」と検索すれば簡単に調べられます。
具体的に、届出に必要な書類は次の5つになります。
①貨物軽自動車運送事業経営届出書
②貨物軽自動車運送事業運賃設定届出書
③事業用自動車連絡書
④車検証(新車の場合は、車台番号が確認できる書面(完成検査証など)
⑤運転約款(国土交通省の標準貨物軽自動車運転約款を使用しないときのみ)
銀行で事業用口座を開設する際には、貨物軽自動車運送事業の届出を確認されることがあります。そのため、①〜③の書類は提出用と控えの2部を用意しておきましょう。
それぞれ次のような書類になります。



窓口に行って、軽貨物運送業の届出をしたいって言えばいいの?
そうだね、一応この届出の正式名称は、「貨物軽自動車運送事業経営の届出」だよ。
⑤の運転約款については、ほとんどの場合、国土交通省の標準貨物軽自動車運転約款を使用するため、自作しない限り提出は不要です。
届出が受理されると、運輸支局から③事業用自動車等連絡書が受領印を押されて返却されます。
この連絡書があれば、次のステップの軽自動車協会での黒ナンバー取得手続きに進むことができます。
3.軽自動車協会で黒ナンバーを取得する
運輸支局での届出が受理されたら、さっそく黒ナンバーを取得しましょう。

黒ナンバーへの変更手続きは、軽自動車検査協会の窓口で行います。手続きが完了すると、その場で黒ナンバープレートが交付されます。
必要な持ち物は次の通りです。
- 車検証原本
- 使用する車両の黄色ナンバープレート(前後の2枚)
- 運輸支局の受領印が押された事業用自動車等連絡書
- 住民票(法人の場合は法人謄本)
手数料は、ナンバープレート代として1,500円必要となります。
黒ナンバーの手続きは、すべて1日で完了できます。
4. 事業開始までの実務的な準備
黒ナンバーを取得したら、即事業開始という訳にもいきません。この後は、以下のような実務的な準備を進めていくことになります。
- 軽貨物運送事業専用の任意保険に加入する
軽貨物運送業を始める際には、軽貨物事業用の任意保険に加入しましょう。一般的な自動車保険とは補償内容が異なり、営業使用に対応した特別な保険となります。保険料は年間10万円からが目安ですが、補償内容や運送する荷物の種類によって変動します。 - 車両に名称などの表示
事業用自動車である旨、事業者名、住所などを車体の両側面に表示する必要があります。 - アルコールチェッカーの準備
アルコールチェッカーを用意し、乗務前後のアルコールチェックを実施・記録する必要があります。国土交通省の指針では、0.15mg/L以上のアルコールが検知された場合は乗務を禁止しています。また、チェック結果は1年間保存することが求められています。
任意保険には絶対に入らないとダメなの?
運輸支局に提出する届出書で、損害賠償の支払い能力があることを宣誓することになるよ。入ってた方がいいね。
これら4つのステップを完了することで、軽貨物運送業を開始する準備が整います。ただし、事業を成功させるためには、安全管理についてもしっかりと理解しておく必要があります。
積載量制限を知っておく
軽貨物運送業における積載量の管理は、安全運行と法令遵守の観点からとても重要です。過積載は事故のリスクを高め、道路交通法違反として厳しい処罰の対象となるため、絶対に避けなければいけません。乗車人数に応じた積載可能重量は次のとおりです。
①運転者1名のみ乗車:165kg
②運転者+同乗者1名:110kg
③運転者+同乗者2名:55kg
④4人乗車の場合:軽貨物事業として使用不可
荷台の形状や積載方法によって実際の積載可能重量は変動するため、注意が必要です。安全運行のために、荷物は必ず荷台にしっかりと固定し、走行中の荷崩れを防止してください。適切な積載量の管理と、正しい積み付け方法の習得は必須になります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。本記事では、軽貨物運送業の開業手続きから実務的な準備、仕事の獲得方法まで体系的に解説いたしました。手続きは一見複雑に思えるかもしれませんが、一つずつ着実に進めることで、早ければ2週間程度での開業が可能です。開業後は安全運行を最優先事項とし、着実に取引先を増やしていくことで、持続可能な事業運営を実現していきましょう!





