NPO法人ってなんだろう、株式会社と何が違うの?
NPO法人という名前は聞いたことがあるけど、一般的な株式会社との違いはわからない…という方も多いです。
実は、NPO法人と株式会社では、設立目的や運営方法、税制面など、さまざまな違いがあります。
この記事では、そんなNPO法人と株式会社の6つの重要な違いを、わかりやすく解説していきます!
これから法人設立を考えていて「NPO法人と株式会社、どっちがいいんだろう?」と迷っているなら、参考にしてね!
NPO法人と株式会社の6つの違い
NPO法人は「特定非営利活動法人」の略称で、社会貢献活動を行うことを目的とした法人格です。
一方、株式会社は営利を目的とした代表的な会社形態で、株主から資金を集めて事業を行います。
それでは、NPO法人と株式会社の基本的な特徴を見ていきましょう!
1. 設立目的の違い

NPO法人は社会貢献が主な目的
NPO法人は、社会貢献や公益の増進を主な目的とする組織です。
活動内容は、特定非営利活動促進法で定められた20分野のいずれか(複数も可)に該当する必要があります。
| 1. 保健・医療・福祉の増進 | 2. 社会教育の推進 | 3. まちづくりの推進 | 4. 観光の振興 |
| 5. 農山漁村・中山間地域の振興 | 6. 学術・文化・芸術・スポーツの振興 | 7. 環境保全 | 8. 災害救援 |
| 9. 地域安全 | 10. 人権擁護・平和推進 | 11. 国際協力 | 12. 男女共同参画 |
| 13. 子どもの健全育成 | 14. 情報化社会の発展 | 15. 科学技術の振興 | 16. 経済活動の活性化 |
| 17. 職業能力・雇用機会 | 18. 消費者保護 | 19. 市民活動の促進 | 20. 条例で定める活動 |
ここで誤解されやすいのが、「非営利」という言葉の意味です。
NPO法人は利益を上げてはいけないわけではありません。むしろ、組織の継続的な運営のために収益を得ることは重要です。
たとえば、あるNPO法人が「17.職業能力・雇用機会」に該当する活動を行うとして、就職支援のための職業訓練プログラムを実施し、受講料を徴収することができます。
また、訓練に関連する教材の販売や、企業向けのコンサルティングサービスを提供することで収益を得ることも可能です。
ただし、その利益を構成員に分配することができません。得られた利益は団体の活動目的のために使用しなければならない、というのが「非営利」の本当の意味です。
じゃあ、NPO法人で働いている人はみんなボランティアなの?
ううん。NPO法人でも職員に給与を支払うことは可能なんだ。事業で得た余剰金を構成員に分配できないってことだよ。
株式会社は利益の追求が目的
一方、株式会社は利益の追求こそが設立目的です。
株式会社は事業であげた利益を株主に分配することができ、株主総会の決議を経て配当金として還元されます。
また、会社の成長に向けた投資や事業拡大のための資金として活用することも可能です。
2. 設立手続きの違い

NPO法人は設立に2ヶ月以上かかる
NPO法人の設立には、所轄庁(都道府県や政令指定都市)の認証が必要で、手続きには通常2~3ヶ月かかります。
具体的な手続きは以下の通りです。
- まず10人以上の社員(会員)を集め、設立総会を開催して定款を作成します。
- 次に所轄庁に申請書類を提出し、2週間の縦覧期間を経て認証を受けます。
- 認証後2週間以内に設立登記を完了させる必要があります。
設立費用については、NPO法人の場合、定款認証の印紙代、登録免許税、その他諸経費を含めて約15~20万円程度です。
株式会社は2週間程度で設立可能
一方、株式会社は最低資本金の制限はありませんが、登録免許税や印紙代などで約30~40万円程度必要です。
株式会社の設立は、定款作成と出資金の払い込みを行った後、法務局に登記申請を行います。約2週間程度で設立が完了します。
NPO法人は10人以上の社員が必要なんだね!株式会社はどうなの?
株式会社は発起人1人でも設立できるよ。全体的に見ても、株式会社の方が設立のハードルは低いんだ。
3. 資金調達方法の違い

NPO法人は主に会費と寄付で資金を集める
NPO法人の主な資金源は多岐にわたります。
会員からの会費収入、個人や企業からの寄付金、国や地方自治体、民間財団などからの助成金、そして自主事業による収入などが含まれます。
ただし、株式会社とは異なり、株式を発行して資金を調達することはできません。これは非営利組織としての性質上の制限となっています。
株式会社は株式発行と借入で資金を調達
一方、株式会社は資金調達の手段が豊富です。
株式を発行して投資家から資金を募ることができ、金融機関からの融資も比較的受けやすい特徴があります。
特に事業計画が明確で収益性が見込める場合は、様々な資金調達の選択肢を活用できます。
4. 税制面の違い

NPO法人は税制面で優遇される
NPO法人は、主たる事業である非営利活動については非課税となり、収益事業(物品販売や不動産賃貸等の営利活動)から生じた利益にのみ法人税が課税されます。
さらに、一定の基準を満たして認定NPO法人となった場合は、寄付金の税額控除や税制上の特例措置など、より広範な税制優遇を受けることができます。
株式会社は全ての収益が課税対象
一方、株式会社は営利法人として、その事業内容や規模に関わらず、すべての事業活動から生じた利益に対して法人税が課税されます。
具体的には、法人税、法人住民税、法人事業税などが課されることになります。
5. 情報公開の違い

NPO法人は情報公開が義務付けられている
NPO法人は、法律に基づき、毎年の事業報告書、活動計算書、貸借対照表などの財務諸表を所轄庁に提出することが義務付けられています。
これらの書類は情報公開の一環として、事務所での備え付けや、所轄庁での一般閲覧が可能となっており、組織運営の透明性と説明責任が強く求められています。
株式会社は情報公開の義務は比較的緩やか
一方、株式会社は、大会社(資本金5億円以上または負債総額200億円以上)を除き、情報公開の義務は比較的緩やかです。
ただし、上場企業の場合は、証券取引所の規則に基づく厳格な情報開示が必要となります。
NPO法人の方が、ちょっと面倒な作業があるんだね…。
そうだね。でもその分、社会的な信頼性も高まるメリットがあるからね。
6. 組織運営の違い

NPO法人は1人1票の民主的な仕組み
NPO法人の議決権は社員1人1票となっており、出資額や在籍期間に関係なく平等な議決権を持ちます。
これは、NPO法人の民主的な運営の原則を体現するもので、特定の個人や団体に決定権が集中することを防ぐ仕組みになっています。
株式会社は出資額で議決権が決まる
株式会社は、出資した額(株式の保有数)に応じた議決権を持ち、株主総会での決議は出資比率に基づいて行われます。
これは、より多くの出資をした株主に大きな決定権を与える仕組みで、経営の効率性と責任の所在を明確にする特徴があります。
NPO法人は、お金を出した人ほどエライ!ってわけじゃないんだ?
その通り!NPO法人では全社員が平等に意思決定に参加できるんだよ。
さいごに
以上、NPO法人と株式会社の主な違いについて、設立手続きから組織運営まで詳しく解説してきました。
どちらの法人形態も、それぞれの特徴や長所・短所があり、一概にどちらが優れているとは言えません。
もしあなたがこれから法人を設立するなら、まずはご自身の目的や事業内容をしっかりと見極めることが大切です。
非営利の社会貢献活動を主とするならNPO法人、営利事業を展開するなら株式会社というように、それぞれの特性を活かした選択をしましょう!

