飲食店のコンセプトは現場にある!

「飲食店のコンセプトが大切なのは分かるけど、具体的な決め方が分からない…」

「コンセプトの色んなアイデアはあるけど、これだ!という確信が持てなくて不安…」

考え中のエプロンをつけた女性

飲食店の開業を目指す際、序盤で必ずすべきなのが「コンセプトの決定」です。これは、今後の準備全ての土台となるため、できるだけ具体的に固めたいもの。ただ、決まった正解がないからこそ、不安な気持ちにもなってしまいますよね?

あせあせ

そうそう。アイデアはあるけど、おぼろげっていうか…。これで本当にいいのかな?って思っちゃう。

しろっち

飲食店のコンセプトは、まさに心臓部!ただ、闇雲にアイデアを出すだけじゃ、なかなか「これだ!」っていう確信には繋がらないんだ。

コンセプトを決めるときに大切なのは、「他店をたくさん見ること」!これにつきます。自分だけで考えていては、お客様のニーズに合っていない独りよがりなコンセプトになりかねません。そのため、他店のコンセプトを分析し、そこからヒントを得て、自分のお店の「独自性」や「提供価値」へと繋げていくことが重要になります。

そこでこの記事では、4つのコンセプト事例と共に、他店をどのように分析すればいいかの具体的な方法(ポジショニングマップを活用)を詳しく紹介していきます。この記事を読んで、あなたのモヤモヤがスッキリして、魅力的なコンセプトを見つけ出せたなら幸いです。

この記事でわかること

  • 4つのコンセプト事例
  • 他店コンセプトの分析方法(ポジショニングマップを活用)

飲食店コンセプト事例4選!ポジショニングマップで分析

カフェでメモをとっている

世の中には、たくさんの飲食店のコンセプト事例があります。でも、ただそれを眺めているだけでは、なかなか自分の状況に置き換えて考えるのは難しいものです。

大切なのは、他店のコンセプトを「見える化」し、「市場全体の中で、そのお店がどんな立ち位置(ポジション)にいるのか?」を客観的に理解すること。

そこで役立つのが、市場における店舗の位置づけを視覚的に分かりやすく示してくれる「ポジショニングマップ」というツールです。言葉で聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、実際に見てみると非常にシンプルで強力な分析方法です。

飲食店のポジショニングマップ事例

たとえば、これは横軸を「定番・伝統的」と「創作・革新的」にして、縦軸を「高価格」と「低価格」にしたポジショニングマップです。これをメモ帳に書いて他店を見るだけで、他店の見え方がだいぶ違ってきます。

それではさっそく、いくつかの飲食店のコンセプト事例を、いろいろなポジショニングマップを使って見ていきましょう!

しろっち

ここから紹介する事例やマップの軸は、あくまで考え方の一例だよ。どんな軸があるかは、この記事の後半で紹介するね。

事例1:働くママを応援!「デリバリー強化型・週末こども食堂カフェ」

料理をする女性
  • コンセプト概要: 平日は栄養バランスの取れたランチデリバリーで忙しい働くママをサポート。週末は、親子で気軽に利用できる「こども食堂」的なメニューも提供し、地域コミュニティの拠点を目指すカフェ。
  • ターゲット顧客: 未就学児~小学生の子を持つ、共働きの30代~40代女性。地域の親子。
  • 提供価値: 時間の節約、栄養バランス、子供との時間、地域とのつながり。
飲食店のポジショニングマップ/日常使い・ファミリー
しろっち

このお店は、「日常的に、家族や地域との繋がりを大切にしたい層」を明確なターゲットとしたポジションを取っているよ。一般的なおしゃれカフェや高級レストランとは異なる、地域に根ざした温かい場所を目指していることが視覚的に理解できるね。

事例2:深夜まで営業!「クリエイターが集う隠れ家ブックカフェ&バー」

ブックカフェ
  • コンセプト概要: 落ち着いた空間でこだわりのコーヒーや軽食、夜はアルコールも提供。蔵書はデザイン・アート関連が中心。Wi-Fi・電源完備で、クリエイティブな仕事や読書に没頭できる、都市の隠れ家。
  • ターゲット顧客: デザイナー、ライター、編集者などのフリーランスやクリエイティブ職の20代後半~40代男女。
  • 提供価値: 集中できる作業環境、インスピレーション、同じ嗜好を持つ人々との緩やかな繋がり。
飲食店のポジショニングマップ_プライベートorオープン
しろっち

このお店は、「食事そのものよりも、集中して作業したり読書したりする環境を重視し、かつプライベートな空間を求める層」に特化しているポジションだね。

事例3:日本の発酵文化を未来へ!「モダン発酵料理レストラン」

モダンカフェの女性店員
  • コンセプト概要: 伝統的な発酵食品(味噌、醤油、麹、納豆など)を使いつつ、現代的な調理法や美しい盛り付けで新しい味わいを提案するレストラン。オーガニック食材や地元の旬の食材も積極的に使用。
  • ターゲット顧客: 健康や食の背景に関心が高い30代~50代の男女。食通。質の高いものを求める外国人観光客。
  • 提供価値: 驚きのある美味しさ、健康への配慮、新しい食体験、日本の食文化の再発見と未来への継承。
飲食店のポジショニングマップ_クラシックorモダン
しろっち

このお店は、「伝統的な食材の良さを活かしながらも、これまでにない新しいスタイルで、質の高い特別な食体験を求める層」をターゲットにしているポジションだね。

事例4:週7日OK!「具沢山・食べるスープ専門店(オフィス街ランチ&テイクアウト特化)」

スープランチを運ぶ女性
  • コンセプト概要: 野菜や豆類、肉・魚などがゴロゴロ入った「食べるスープ」をメインに提供。日替わりで数種類用意し、パンや雑穀米とセットに。オフィス街でのランチ需要に応え、テイクアウトとクイックなイートインに特化。
  • ターゲット顧客: オフィス街で働く20代~40代の男女。健康志向で、手軽にバランスの取れた食事をしたい人。
  • 提供価値: 健康、満腹感、手軽さ、時間の有効活用。
飲食店のポジショニングマップ_提供スピード
しろっち

このお店は、「忙しい毎日の中でも、栄養バランスの取れたちゃんとしたランチを、手早く済ませたい」という層に強く響くポジションだね。

にっこり

なるほど!ポジショニングマップって、お店の特徴がどこにあるのか、いろんな切り口で比べられて参考になるね。今までこんな風に客観的に見たことなかったかも。

しろっち

そうだね。自分のお店のコンセプトを決める第一歩は、まず他店をよく分析することなんだ。他のお店のコンセプトを「どんなポジションなんだろう?」と分析するつもりで見に行けば、今まで気づかなかったことがたくさん見えてくるはずだよ。

コンセプトを多角的に捉える!軸のアイデア集

閃いた顔

改めて、自分のお店のコンセプトを明確にするには、ただ漠然と考えるのではなく、多くの飲食店を実際に訪れ、そのお店のコンセプトを分析するのが近道です。そうすることで、市場の状況や地域の特性が見え、競合との差別化ポイントも明らかになり、結果としてあなたの店舗独自のコンセプトが磨かれていきます。

事例では4種類のポジショニングマップを紹介してきましたが、ここからは、「どのような軸(視点)で他店を分析したら良いのか」、その軸の事例を紹介していきます。

ぜひ、このページを開いたまま、気になるお店を分析してみよう!

【価格帯・利用単価】に関する軸

低価格 高価格
日常使い(リーズナブル) 特別な日(高級)
高コストパフォーマンス 贅沢・プレミアム

【料理・メニュー】に関する軸

定番・伝統的 創作的・革新的
専門特化型(例:ラーメン専門店) 多品目提供型(例:総合居酒屋)
ヘルシー志向(オーガニック、低カロリー等) ジャンク・がっつり系
ボリューム少なめ・軽食 ボリューム満点・しっかり食事
食材へのこだわり(産地直送、希少部位など) 手軽さ・スピード重視
特定の調理法(例:炭火焼き、低温調理) 多様な調理法
アレルギー対応・ヴィーガン対応 特になし

【雰囲気・空間】に関する軸

カジュアル・気軽 フォーマル・高級感
賑やか・ワイワイ 静か・落ち着いた
モダン・スタイリッシュ レトロ・アットホーム
一人客向け(カウンター中心) グループ向け(テーブル席豊富)
ファミリーフレンドリー(キッズスペース等) 大人向け・デート向き
非日常感・エンタメ性 日常の延長・居心地の良さ
オープンな空間 プライベート感重視(個室など)

【利用シーン・機能性】に関する軸

短時間滞在(クイックランチ、立ち飲みなど) 長時間滞在(カフェ作業、ゆっくりディナーなど)
食事メイン ドリンク・アルコールメイン
テイクアウト・デリバリー充実 店内飲食特化
早朝営業・深夜営業 通常のランチ・ディナータイム営業
予約必須・推奨 予約不要・ウォークイン歓迎
Wi-Fi・電源完備 特になし(会話を楽しむ空間)
ペット同伴可 ペット同伴不可

【ターゲット顧客層】に関する軸

若者向け シニア向け
男性向け 女性向け
ファミリー層向け 単身者・カップル向け
地元住民密着 広域からの集客(観光客など)
特定の趣味・嗜好を持つ層(例:アニメ好き、健康マニア) 万人受け
しろっち

これらはあくまで一例だよ。例えば、「料理の提供スピード」と「健康志向の度合い」を軸にしたり、「価格帯」と「お店のエンタメ性」を軸にしたりと、自由に組み合わせて自分なりに分析してみることが大切なんだ。

ガッツ

見方が違うと、同じお店でも全然違って見えるね!これらを組み合わせながら考えれば、確かに自分のお店の「これだ!」っていうコンセプトが見えてきそうだよ。

まとめ

この記事では、飲食店のコンセプトを明確にするための具体的な他店分析の方法として「ポジショニングマップ」の活用法と、その際に役立つ「軸」のアイデアを紹介しました。

闇雲にアイデアを出すのではなく、まずは競合となりそうなお店や繁盛しているお店をポジショニングマップで多角的に分析し、市場における自店の「独自性」や「提供価値」を見つけ出すこと。これが、多くのお客様に選ばれ、「勝てる」飲食店になるための確かな一歩です。

あなたも是非、この記事で紹介した手法を使って、「これだ!」と確信の持てる、あなただけのコンセプトを見つけてくださいね!