テイクアウト専門店を開業したいけど、何から準備を始めればいいのか迷っていませんか?
テイクアウト専門店は、今の時代のニーズに合った事業形態です。客席スペースが不要なため、通常の飲食店と比べて初期投資、家賃、ホールスタッフの人件費を大幅に抑えられ、少ない資金でリスクを抑えて開業できます。
この記事は、そんなテイクアウト専門店を開業したいあなたのためのテイクアウト専門店に特化した開業ガイドです。
特にここでは、5坪ほどの小さな店舗を開業するケースで、成功までの8ステップを紹介していきます!
一般的な飲食店の開業ガイドブックには載っていない、テイクアウトならではの「成功のポイント」と「知っておきたい注意点」を見ていこう!
ステップ①メニューを徹底的に絞り込む

テイクアウト専門店成功の鍵は「メニューを徹底的に絞り込む」ことにあります。唐揚げ専門店、おにぎり専門店など、メニューを絞ることで「〇〇が食べたいなら、あのお店だね」とお客様に覚えてもらいやすくなります。これは「専門性が高い=信頼できる」という印象に繋がり、リピーター獲得の第一歩になります。
立地とコンセプトを合わせる
オフィス街なら「手軽で健康的なお弁当」、住宅街なら「夕食のおかずの一品」といった立地にあったコンセプトを考えましょう。さらに、同じ住宅街でも若いファミリー層が多いのか、高齢者が多いのかで、求められるメニューや価格は変わってきます。
事業計画と客単価を設定する
テイクアウトは客単価が低くなる傾向があります。サイドメニューやドリンクで客単価を上げる工夫はもちろん大切ですが、「専門性」を強みにして付加価値を高め、自信を持った価格設定をすることも、安定した経営のポイントです。
メニューは、どのくらいの品数が適切なの?
テイクアウト専門店の場合、メインメニューは5品前後から多くても10品までに絞るのがオススメだよ。それにサイドメニューを2~3品加える程度が、品質管理と効率の面から理想的だよ。
ステップ②現実的な資金計画を立てる

テイクアウト専門店の開業資金は、5坪程度の居抜き物件であれば300万円台から可能な場合もありますが、これは非常に条件が良いケースです。現実的な開業資金の総額は300万円~900万円と幅広く考えておくのがよいでしょう。
居抜き物件って?
居抜き物件っていうのは、以前に飲食店などが入っていた物件のことだよ。厨房設備や空調設備などが既に設置されているから、新規で一から店舗を作るよりもコストを抑えられるんだ。ただし、設備の状態や衛生面はしっかりチェックする必要があるね。
リアルな初期費用(5坪居抜きの場合)の目安
テイクアウト専門店の初期費用を具体的に見ていきましょう。以下は、5坪の居抜き物件で開業する場合の一般的な費用の内訳です。
| 項目 | 費用 |
| 物件取得費 | 50万~150万円 |
| 内外装デザイン費※ | 50万~200万円 |
| 厨房機器(中古活用) | 80万~200万円 |
| その他(広告宣伝費、備品など) | 30万~70万円 |
| 初期費用合計 | 210万~620万円 |
※物件の状態で大きく変動する、特に注意が必要な項目です
運転資金は少なくとも3ヶ月分確保
上記の初期費用とは別に、少なくとも3~6ヶ月分の運転資金(100万~250万円)を必ず確保しておきましょう。売上が安定するまでの運転資金の不足は、経営が厳しくなる大きな原因の一つです。
見落としがちな「容器・包材費」に注意
容器や袋は継続的に発生する「変動費」で、利益率に直接影響します。1商品あたり30円~130円ほどかかることもあり、このコストも含めて原価率を30%程度に抑えるのが一つの目安になります。
ステップ③許可申請は事前確認を

開業には、基本として「飲食店営業許可」と「食品衛生責任者」の資格が必要です。それに加え、テイクアウトならではの注意点も確認しましょう。
小さい店舗では許可がおりないことも
クッキーやケーキ等を包装して販売する場合、この許可が必要です。注意したいのは、飲食店営業許可より厳しい施設基準(例:専用の製造室)が求められる場合がある点です。5坪の店舗でこの基準を満たすのは難しいケースもあるため、必ず内装工事の前に、図面を持って保健所に相談しましょう。
自宅で作ったものは売れない
食品衛生法上、自宅のキッチンなどで仕込みを行うことは原則として認められません。必ず営業許可を取得した施設で行う必要があります。
売るものによって追加の許可が必要に
自家製ハムなら「食肉製品製造業」、お酒のボトル販売なら「酒類小売業免許」など、メニューによっては追加の許可が必要になることがあります。
許可申請って、事前に相談しておいた方がいいの?いきなり申請しちゃダメ?
営業許可の基準は行政によって違うし、場合によっては担当者によっても考え方が違うこともあるんだ。だから事前相談は絶対しておいた方がいいよ。
ステップ④「バックヤード」と「待ちスペース」のある設計が良

5坪ほどの空間では、調理場以外のスペースの使い方がお店の運営効率を左右します。店舗設計では、以下の2つのポイントを特に意識しましょう。
バックヤード
独立した部屋を設けるのは難しいため、食材の保管、梱包、事務作業といった機能を、厨房内の棚や作業台の下などにいかに効率良く配置できるかが設計のポイントです。
待ちスペース
お客様が雨に濡れずに待てる小さな軒先や、店内に2~3人が立てるスペースを確保できると、顧客満足度に繋がります。オンラインの事前注文システムを導入することで、この問題を緩和することもできます。
ステップ5:店舗設計 ― 「HACCP」と効率的な「動線」を考えましょう
2021年6月から、小規模な事業者も「HACCP(ハサップ)の考え方を取り入れた衛生管理」を行うことが義務化されました。これは、食中毒のリスクを科学的に管理する考え方です。
HACCPって何?
HACCPは食品衛生管理の国際基準だよ。食品製造工程での危害を分析して、重要な管理点を定めて監視・記録する手法なんだ。
HACCPの実践で重要なこと
HACCPの考え方に基づいた衛生管理は、以下の3つの要素を中心に考えていきます。
- 温度管理
食材の受け入れから提供まで、食中毒菌が増えやすい危険温度帯(10℃~60℃)を避けるように管理します。 - 交差汚染の防止
生の食材と調理済みの食品で、調理器具や場所を分けることが基本です。 - 記録
冷蔵庫の温度や加熱温度などを日々記録し、保管しておきましょう。 - 動線設計のポイント
お客様には「注文→会計→商品受け取り」と一方向に流れるレイアウトが理想です。スタッフの作業動線も、冷蔵庫からコンロ、作業台、包装スペースへとスムーズに流れるように配置し、少ない動きで作業が終わる効率性を追求しましょう。
ステップ⑥「冷めても美味しい」と「サステナビリティ」を意識

テイクアウトのメニューは、イートインで提供するものとは少し違った工夫が求められます。
「冷めても美味しい」を実現する
一度調理したものが冷めてしまっても、おいしさを保つための工夫が重要です。家に持ち帰ってから食べるまでの時間を考慮し、調理の段階から「冷めても美味しい」メニューを作り上げる必要があります。
- 揚げ物
衣に片栗粉や米粉を配合すると、サクサクとした食感が長持ちしやすくなります。 - ご飯
保水性の高いお米を選んだり、炊飯時に少量の油を加えたりすると、固くなりにくくなります。 - 味付け
少しだけ濃いめにすると、冷めた時に味がぼやけにくくなります。
容器は「商品の一部」であり「お店の姿勢」
機能性やデザイン性に加え、今後は「サステナビリティ(持続可能性)」も容器選びの重要な基準になります。紙やバガス(サトウキビの搾りかす)、竹など環境に配慮した素材の容器は、コストは少し高めですが、お店の付加価値を高めることに繋がります。
食品ロス削減への取り組み
POSデータで需要を予測したり、調理で出た野菜の切れ端をスープに活用したり、フードバンクに寄付したりすることも大切な取り組みです。
容器選びなんてそんなに深く考えてなかったよ…。
容器選びは見た目や価格だけでなく、料理の特性に合わせた機能性も大切なんだ。例えば、揚げ物は蒸れないように通気性のある容器を選ぶし、汁物は漏れにくい設計のものを選ばないとね。
ステップ⑦集客戦略でファンを育てる

大手デリバリーサービス(Uber Eatsや出前館など)は知名度アップに有効ですが、30~40%の高い手数料は利益を圧迫することもあります。上手に活用しつつ、自分のお店のファンを育てる仕組みを作りましょう。
オンラインとオフラインの連携
店頭のPOPやショップカードでLINE公式アカウントなどへの登録を促し、オンラインでクーポンを配信したり新メニューをお知らせしたりして、再来店に繋げます。
Googleビジネスプロフィールの活用
Googleビジネスプロフィールは無料で使える、とても有効な集客ツールです。正確な情報の更新、魅力的な写真の投稿、そして全ての口コミへの丁寧な返信が、地域検索で上位に表示されるための鍵となります。
ステップ⑧ POSレジ活用でデータに基づいた経営を

テイクアウト専門店を成功に導く最後のピース、それは「データに基づいた経営」です。その心臓部となるのが、現代のPOSレジ。単なるレジスター(現金箱)ではなく、お店の強力な「参謀」として活用しましょう。
売上分析で、お店の「勝ち筋」を見つける
POSレジの最大の強みは、売上データを自動で蓄積・分析できることです。「どの商品が、何曜日の、何時に売れるのか」が正確に可視化されるため、勘に頼らず、仕込み量の最適化(食品ロス削減)や、本当に需要のある新メニュー開発に繋げることができます。
会計と注文管理を、スマートに効率化
キャッシュレス決済へのスムーズな対応はもちろん、デリバリーサービスや自社のオンライン注文と連携できるのもPOSレジの魅力です。注文から会計までの流れが一元管理されることで、お客様の待ち時間を短縮し、スタッフの負担も軽減。お店の回転率と顧客満足度を直接的に向上させます。
POSってどういう意味?
POSは「Point Of Sales」の略だよ。簡単に言うと、販売データを記録・分析できる賢いレジのことなんだ。メニューごとの売上や時間帯別の需要が一目で分かるから、経営の判断に役立つよ。有名どころでは[ スマレジ
] だね。オンラインで説明を受けられるから、興味があったら聞いてみよう!
まとめ
テイクアウト専門店の開業を成功させるためには計画的な準備がとても重要です。この記事でご紹介した専門家の視点を取り入れ、一つひとつのステップを着実に進めることで、5坪という小さな店舗から大きな成功を掴むことは十分に可能です。
あなたの熱意と、このガイドが合わされば、きっとうまくいくはず!この内容が、あなたの開業準備の一助となれば幸いです。






